個人懇談・保護者懇談会 高校生の進路決定は1年生からじっくりと!!

高校への進学率が100%に近い現在、高校での進路決定は進学・就職を問わず高校生本人はもとより彼らの保護者にとっても人生最初の岐路と言えます。高校では3年間いろいろな情報提供をしながら、進路の決定に生徒を追い詰めます。実際追い詰められないと人はなかなか新しい道には進んで行きにくいものなのです。

高校の中にはいろいろな人間関係がありますが、生徒一人ひとりのことを理解し、より良い進路指導をするために個人懇談をしたり、保護者懇談会を開いたりします。高校の中のいろいろな人間関係を生徒を中心に眺めていきましょう。

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学校の中にはいろいろな人間関係がある

高校では、小中学校でも同じことですが人間と人間が関わり合うことで日常業務が行われています。そのためには互いのことを理解する取り組みが欠かせません。互いの理解を深め情報を共有するために、個人懇談・保護者懇談などの懇談の機会を学校では設定しています。

学校の中の人間関係を整理すると次の3つが浮かんできます。

  1.  生徒と生徒の関わり
  2.  生徒と教師の関わり
  3.  生徒の保護者と教師の関わり

この3つの人間関係を細かく見ていきましょう。

クラスづくりは大切な仕事

1の生徒と生徒の関わりはいろいろな問題を起こす可能性を含み学校の教員が一番神経を使う人間関係であるといえます。

例えば、1年生の学年を編成するときクラス分けをするのですが、高校では中学校からの申し送りに注意し同じクラスは避けた方が良い生徒はいないかとチェックします。

最初の配慮はそれくらいのものですが、年間を通じていろいろな行事をセットしクラスの中の仲間意識を高める方向に持っていこうとします。特に運動会とか学校によっては合唱コンクールのようにクラス対抗の行事があるとクラス内の仲間意識はぐっと深まるようです。

1年生の終わりに近づくと生徒の気持ちの中に「このクラスでよかった」という思いが高まってくるようです。そんなクラスでは最後のロングホームルームの時間にお別れ会が企画されて大いに盛り上がったりするのです。

教師は生徒を追い詰めます

2の生徒と教師の関わりですが、この関わりが学校業務の中心と言えます。高校3年間の間教師は授業という形で日々生徒と関わり合いますが、こちらを表の顔としますともう一つの顔があります。授業以外での教師と生徒の関わりです。

入学してきた生徒は基本的に3年間で卒業させてそれぞれの進路に送り出さなければいけません。学級担任にとってはその学年に応じたプログラムでその学年相応の成長をさせなければならないのです。言葉を変えると教師は学年を追いながら生徒に一つ一つ選択を迫って追い詰めていく役割を持っているといえます。

この役割をはたすために教師は生徒のことをよく知っていなければいけません。そのために常日ごろ時間を見つけては生徒と個人懇談を行います。

最初の個人懇談では生徒の全体像をつかむことが中心になります。個人情報をたくさん知ることになるので重い話にもなりますが、そこは生徒の置かれた状況を理解するためですから仕方がありません。自分だけしか知らない話を聞くということで生徒との距離は確実に小さくなります。

1年生・2年生と上がりながら進路関係の情報をたくさん提供します。2年生の終わりになるとそれらの情報を下に3年生でのコース選択をさせます。いわゆる進学校と呼ばれる高校では希望する学部選定や受験校の選択が中心になるのでしょうが、実業高校や進学校とは呼ばれない高校では就職か進学かという選択が大きな問題となります。

1年生・2年生での準備期間をしっかりといろいろ考えて過ごさないとこの時点でどうしていいかわからないというあたかも進路難民のような生徒が出てきます。

どっちにしても、就職?進学?と言うように一つ一つ生徒との個人懇談で追い詰めていくのがこの時の教師の仕事なのです。追い詰めるといっても、ただどうするの?と追い詰めるのではなくいろいろな状況を頭に思い浮かべることができるようにたくさん語ります。自分の若き頃の経験も交えながらよりよい選択をさせようと熱く語るのです。

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保護者の方には安心感を!

3生徒の保護者と教師の関わりです。この関わりは日常的にはあまり存在しません。あるとしたら、緊密な連絡の必要な事柄を抱えた生徒の保護者の方との関わりでしょうか。一般的には定期考査の後などに保護者向けに報告するべき必要が生じるときに設定されている保護者懇談会があります。

保護者懇談会に来られる保護者の方の胸の内は裁判の被告のようなものです。成績の不振など子どもに関する注意を受けるのではないかと不安を持ちながら懇談の席につかれます。

成績の連絡などは文書連絡で十分に伝わるものなのですが、保護者懇談会のもつ意味はこの直接の対話なのです。大部分の保護者は自分の子どもが勉強しないと思っています。「うちの子は、本当に勉強しません」という台詞がほとんどの保護者の口から出てきます。

こういうとき、高校の教師は聞き役に徹するのです。学級担任が話を聞いても子どもは勉強ができるようになるものでもありません。でも、学級担任としゃべって子どもの学習状況について認識を共有できたとき保護者の胸のうちには大いなる安堵感が広がるのです。

自分の子どもが勉強しないということだけに触れましたが、保護者懇談会は年間数回のことです。普段思っている子どもに関する悩み何でもOKです。そういう悩みの相談が生徒理解への近道になるかもしれません。喜んで、学級担任は耳を傾けます。

今回のまとめ

  • 高校など、学校の中にはいろいろな人間関係がある
  • 個人懇談・保護者懇談で生徒に関する共通認識を作る事が重要
  • 生徒に対して教師は常に追い詰める役割
  • 生徒の保護者に対して教師は安心感をもたらす存在
  • 保護者の方の相談事は何でもOK

人間誰しも現状維持が気楽で、進路決定のような問題は避けたいもの。教師はそれを上手に追い詰めていきます。
自分自身のことでも他の人に聞いてもらうと、たとえその問題が解決しなくても、分かってもらえたという楽な気持ちになることがよくあります。

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